山中 匠先生のインタビュー
Q:調査士という仕事を志した理由は何ですか?
A:父の調査士法人へ入ったのが27か28歳のとき。周りと比較すると遅めでしたね。
同世代がまだ取っていなかった。そんな中取れば、認められるし待遇も上がるのではないかと思いました。(補助者グループの中で)
Q:山中さんは大阪外語大学ですよね?それなのに測量、法律等、違う分野で仕事をしています。きっかけは?
A:バンドをやっていたときから、法律は分かったほうがいいなと思っていました。練習スペースの場所を借りたりするときも何かと契約があるじゃないですか。調査士は測量というイメージ。父がやっていた頃は興味がなかったです。
Q:何がきっかけでかわりましたか?
A:実際補助者で働いてみて、割と現場が好きになりました。人の家の裏に入るなど、小学校の帰り道のみちくさのような(笑)どちらかというとやったら怒られる系の事を、堂々とできる上に、お金までもらえるという。これはけっこう面白いなと。意外と現場が好きだったということです。
Q:働いてみるとイメージが変わったんですね。現場がけっこう楽しかったということと、それ以外に、やりがいを感じられましたか?
A:測量した後で造成されたり、新しい家が建っていたりして、しばらく後に現場を通ったら「うまいこといったんだな。」と思えます。そんな時も、嬉しかったりします。
Q:境界立会などはどうですか?
A:父の手伝いをして、最初の頃に立ち会ったある現場が2時からで、5時くらいまでの3時間、隣接しあっている土地の兄弟同士が喧嘩になってしまって、「これは大変な仕事についてしまったな。」と思いました。3時間現場で、ずっと話を聞いたり、質問されたら父が答えていました。
それ以降、そこまでのことはめったにないんだなということが分かりました。最初のハードルが高かっただけのようです。
Q:結局印鑑をもらえなかったのですか?
A:なんとか結局…。喧嘩したかっただけのようで、一通り終わったら、お互いに越境しあっているところを分筆して真っ直ぐにして、まるく収まりました。立会のときが一番激しかったですが、最終的には印鑑をもらえたんです。
Q:3時間もかかり喧嘩もあったけれど、うまくおさまったのですね。
財産も関係するし、人間関係は大変だけれどやりがいも感じる、といったかんじですか?
A:あとで分筆登記した後、行ってみたら、お互いの境界にまっすぐな擁壁をついてあって、「揉めごとも、きれいに収まったんだな。」と、良かったなと感じました。
Q:これからやっていきたいこと、理想などありますか?
A:祖父とか父もやっていて、作成した測量図も残っています。自分も30年、50年残っていても恥ずかしくない(いやでもずっと残りますから…)、そいう成果を残していけるようになれたらな、と思います。
Q:土地の境界を決めるだけではなく、財産をめぐる人間関係の揉め事も解決する仕事ですから大変ですよね?
A:そういうのも影響しますね。
Q:今、測量図は、永年保存なんですよね?
A:測量図はそうです。調査書は、一応20年で廃棄ですよね。
Q:後代にずっと残る測量図を作成して、恥ずかしくないものを残していきたいという山中さんの仕事観を聞けて良かったです。
今日は有難うございました。